巨人はドラフトで甲子園ヒーローを取らない理由

巨人には、甲子園を沸かした若い選手がいない

と言う現実を知っていますか?

甲子園を沸かした選手、すなわち甲子園ヒーロー、甲子園のスターは今までに沢山います。

ダルビッシュ 有(2004:東北)
田中将大(2006:駒大苫小牧)
菊池 雄星(2009:花巻東)
藤浪晋太郎(2012:大阪桐蔭)
大谷 翔平(2012:花巻東)
安樂智大(2013:済美)
高橋光成(2013:前橋育英)

上記以外にも、その他大勢いる。

優勝投手、剛速球、奪三振ラッシュ等すばらしい成績や凄い記録を残した甲子園ヒーロー。

その甲子園ヒーローたちは、プロで活躍している(活躍しそうだ)が、高校3年の秋のドラフトで巨人から名前を呼ばれることはなかった。

全て他球団の1位指名である。

ドラフトでの競合を避けて甲子園スターをわざと外しているのか?

競合して外れるくらいなら、他の即戦力選手を早い目に確保したいのか?

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勝利至上主義の巨人

今の巨人は、勝利至上主義であり、勝たなければならない集団となっている。

しかしながら、昔みたいに強いイメージが巨人にはない。

より強くするためには、突出した戦力が必要であり、外国人、トレード等で補強しているが、それでもダントツに強くなれない。

そのため、ドラフトでも即戦力の選手が必要となり、即戦力としては時間が必要な、育て上げる高校生スターの指名できないのである。

勝つための野球をやっていれば儲かる!と言うのは昔の話。

今では、魅せる野球が必要では?

甲子園には根強いファンが多く、老若男女を問わない。高校時代からTVや雑誌、新聞で取り上げられていた選手が、プロで試合に出ると、どのような活躍をするのか気になるもの。

成長した大谷 翔平が投げる、160kの剛速球が観たい。

線が細い体で、藤浪晋太郎は今日も完封するのか?

など。。。

魅せる野球でファンを獲得しなければ、野球離れがよりいっそう激しくなる。

今の巨人は、

勝つための野球 → 即戦力でヒーローを捕らない → 注目の選手が減る → 人気が薄くなる → 面白くない

悪循環と思われる。

昔の巨人は、松井秀樹、桑田真澄といった甲子園で活躍した高校生ヒーローをドラフトで引抜いてきた。また、甲子園を沸かした大学出身の江川卓、原辰則といった選手も獲得してきた。

その様な甲子園活躍組みの選手がいると、その選手を見たさに野球場に足を運んだものです。翌日の新聞を期待して結果を読んだものです。

今の巨人にはそれがない。

巨人の高校生ドラフトたち

巨人がドラフトで獲得した高校生選手を調べてみる。

過去10年には高校生ドラフト24人が巨人のユニフォームに袖を通した。その24人の1軍成績をみると、目だって活躍しているの坂本だけである。

2006年 1位指名の坂本勇人(光星学院)は、1軍でレギュラーで活躍中であり、すばらしい選手となっている。

その他は、2010年 2位指名の宮國椋丞(糸満)ぐらいであるが。。。いまいちパットしない。

2008年 1位指名の大田泰示(東海大相模)もパットしていない。

しかし、昨年 1位指名の岡本和真(智弁学園)はこれからが楽しみな選手でもあり、期待したいところだ。

’14年1位岡本和真智弁学園28打数6安打 .214
’13年2位和田恋高知一軍なし
’13年3位田口麗斗広島新庄3勝5敗 2.71
’13年4位奥村展征日大山形ヤクルトへ
’13年5位平良拳太郎北山1軍なし
’12年3位辻東倫菰野3打数0安打 .000
’11年1位松本竜也英明1軍なし。野球賭博
’11年2位今村信貴太成学院大3勝2敗 4.89
’11年5位高橋洸日本文理1軍なし
’10年2位宮國椋丞糸満16勝11敗 3.42
’10年3位田中太一大分工業1軍なし
’08年1位大田泰示東海大相模322打数77安打 .239
’08年2位宮本武文倉敷1軍なし
’08年3位齋藤圭祐千葉経済大付1軍なし
’08年4位橋本到仙台育英607打数147安打 .242
’08年5位笠原将生福岡工大城東7勝1敗 4.34
’07年1位藤村大介熊本工業685打数156安打 .228
’07年3位中井大介宇治山田商業295打数78安打 .264
’07年4位竹嶋祐貴滑川1軍なし
’06年1位坂本勇人光星学院4417打数1234安打 .279
’06年3位田中大二郎東海大相模52打数7安打 .135
’06年4位伊集院峰弘鹿児島実業1軍なし
’05年1位辻内崇伸大阪桐蔭1軍なし
’05年3位加登脇卓真北照1軍なし

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巨人は選手を育てられないのか?

上記の一覧を観ても分かるとおり、高校ドラフト選手が活躍しているのは、坂本だけである。

約半数が1軍にも上がれていない。

1軍に上がった選手でも出場機会が少なく、成績もパットしていない。

巨人には凄い選手が集まってくる。その凄い選手と争わなければならないので、出場機会が少ないのかもしれません。

しかし、球団は、高校生を育成し、育て上げ、後のプロ野球のヒーローやスター、球団の顔を作らなければ。。。と思うのです。

巨人の過去10年間では、ほとんどの高校生ドラフトが1軍の世界に定着できていません。これは、高校卒業の若い選手を育成することが、下手なのかも? いや、出来ないのかもしれません。

では、他球団の高校生ドラフトの成績を観て見ましょう。

他球団の高校生ドラフトたち

他球団の高校生ドラフトを観てみましょう。

下の表は、各年度の球団の高校生ドラフト1名をピックアップしました。

2012年は、阪神の藤波、日ハムの大谷、ロッテの田村と活躍

2011年は、中日の高橋、ソフトの武田、楽天の釜田と活躍

2010年は、ヤクルトの山田、日ハムの西川、オリックスの後藤と活躍

各々の年で、活躍している高校生の甲子園ヒーローがいます。他にも、ピックアップできていない活躍している高校生ヒーロー達もいます。

若くして、球団の柱となっている人たちも存在しています。

体の出来上がっていない、荒削りな高校生を、旨く育成し育て上げた結果でしょう。

将来の球団の星となり、人気を呼ぶ選手となるのは間違いなさそうです。

2012年

2位中日浜田達郎愛工大名電5勝6敗
3位ヤクルト田川賢吾高知中央一軍なし
1位広島高橋大樹龍谷大平安6打数0安打
1位阪神藤浪晋太郎大阪桐蔭35勝21敗
1位日ハム大谷翔平花巻東29勝9敗
4位ソフトバンク真砂勇介千葉国際0勝2敗
1位楽天森雄大東福岡0勝2敗
3位ロッテ田村龍弘光星学院440打数74安打

2011年

1位中日高橋周平東海大甲府566打数129安打
1位ヤクルト川上竜平光星学院一軍なし
2位阪神歳内宏明聖光学院1勝3敗
3位広島戸田隆矢樟南7勝7敗
1位横浜北方悠誠唐津商2一軍なし
1位ソフトバンク武田翔太宮崎日大28勝14敗
2位日ハム松本剛帝京16打数2安打
3位西部駒月仁人塔南一軍なし
6位オリックス堤裕貴龍谷29打数3安打
2位楽天釜田佳直金沢9勝7敗

2010年

2位中日吉川大幾PL学園84打数18安打
2位阪神一二三慎太東海大相模一軍なし
1位ヤクルト山田哲人履正社1776打数486安打
5位広島磯村嘉孝中京大中京5打数1安打
1位ソフトバンク山下斐紹習志野20打数5安打
4位西部前川恭兵阪南大高一軍なし
5位ロッテ江村直也大阪桐蔭176打数31安打
2位日ハム西川遥輝智弁和歌山1412打数379安打
1位オリックス後藤駿太前橋商850打数195安打
4位楽天榎本葵九州国際大付69打数8安打

巨人の高校生ヒーローは育たない

結論!巨人の高校生ヒーローは育たない。

○ 他球団では、甲子園ヒーローや甲子園スターが活躍している

○ 巨人はここ10年で活躍しているのは坂本のみ

という上記の事実は、

巨人には、
高校生を育成する力がない! か、
育成する環境がない!
のかもしれない?

そもそも、外国人やトレード、FAで有力選手を捕ってきた巨人。戦力としては外部からの補強で整い、強い球団が出来上がる。だから、若い選手を育て上げる必要が無い。

高校生は、育成する時間が掛かり、大成するか分からない。時間が掛かり、未知数の部分が大きい。

補強選手は、お金さえ支払えば獲得でき、翌日から戦力として投入できる。

儲けのみを考える経営者としては、即戦力を選ぶでしょう。

戦力として切羽詰っていない。切羽詰れば補強すればよい。だから若手を育てる必要が無い、また、育てる方法や環境が整わないのかも?

従って、巨人がドラフトで甲子園ヒーローを取らないのは、即戦力として使えないからであり、また、高卒ルーキーを獲得しても育てる方法を知らないからである。

巨人の高卒ルーキーは、自力で這い上がるしか方法はないのであろう。

高校卒業したての18歳の未成年。温かく見守って、辛抱強く育ててこそ、成長するではないでしょうか?

そう言う球団が、持続した強さと人気を集め、すばらしい野球を私たちに魅せてくれると思います。

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